今や一大イベントとなったボジョレーヌーボ祭り。ハロウィンよろしく、お祭り騒ぎへの便乗にも世間も慣れてきた感じがしますね。
そんなボジョレーヌーボーですが、
2018年の解禁日は11月15日(木)午前0時となっています。
ワイン好きにもたまらないイベントですが、2018年のボジョレーヌーボーの出来や評価はどうなのかが気になります。
海外の評価や過去のキャッチコピーなどから今年のボジョレーヌーボーを紹介していきます。
目次(Contents)
2018年ボジョレーヌーボの出来や評価は?
まず最初にボジョレーヌーボについての基礎知識をご紹介します。
ボジョレーとはフランスの地区の名前を指します。
この夏に収穫したガメイというブドウ品種から造られるのですが、ガメイは熟成すると味が落ちてしまうという特徴を持つため、ワインにしたらなるべく早くに飲むことを推奨されています。
通常、ワインは長く熟成したほうが美味しいとされていますが、ガメイを使ったボジョレーは全くの逆なのです。
そのため、普通のワインとは全く異なった、短期間で熟成させる醸造方法で作られます。
ボジョレーの味はフレッシュで口当たりが良いのが特徴です。喉で味わうものなんて言う人もいますのでビールに近い感覚なのかもしれません。それだけボジョレーヌーボーは日本人の感覚にもあっているという事とも言えます。
ボジョレーの評価に左右されるものとは?
ボジョレーの味の評価は、その年の天気や気温、降雨量や病気、害虫の影響によって決まります。
一般的にワインは産地で味が変わるとされていますが、ボジョレーの場合は決まった地区でしか生産されないので、天候なのどの要素が味を決めているのです。
ボジョレーの2018年の出来について
2018年8月22日に発表されたボジョレーワイン委員会のプレスリリースによると、
『理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる』
今年は春以降、理想的な好天に恵まれ、一部、乾燥の影響もなく理想的な衛生状態で生育サイクルが早いそう。病害もなく収穫量も例年並み。生産者にとって励みになる生育状況の品質面では、現在のところ全体として今年のヴィンテージは、収穫時期やフェノール類の凝縮度において2009年、2011年、2015年、2017年と同じ傾向が見られています。
と発表されています。
気になるのは2009年、2011年、2015年、2017年と同じ傾向が見られる、との文言。
この年は一体どんな評価がされていたのか調べてみました。
2018年ボジョレーヌーボーを過去の評価から推測
2009年の評価
「数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年」
2011年の評価
「3年連続で、偉大な品質となった」
2015年の評価
「記憶に残る素晴らしい出来栄え」
2017年の評価
「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい 」
2009年や2011年はここ20年の中でも絶賛された年でした。
あくまで収穫時期やフェノール類の凝縮度の傾向が似ていると言う情報ですので鵜呑みにはできませんが、期待は出来そうです。
2018年のキャッチコピーは?
その年のボジョレーヌーボーの評価や出来を判断する材料の一つとして、キャッチコピーがあります。
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
2003年「110年ぶりの当たり年」
2004年「香りが強く中々の出来栄え」
2005年「タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』」
2006年「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」
2007年「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」
2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
2009年「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」
2010年「2009年と同等の出来」
2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
2012年「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、
心地よく、よく熟すことができて健全」
2013年「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
2014年「太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、
果実味豊かな味わい」
2015年「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」
50年とか100年という言葉がこの20年間だけでこれほどまで出てくると信じてよいものかどうかと思いますが、過去の評価と比べた時に、この何年ぶりとかの数字が入ってきたときほど味が良い傾向があるので、2018年のキャッチコピーにも注目です。(2018年のキャッチコピーは発表され次第追記します)
ボジョレーヌーボーは海外では不評?

意外と知られていないのが、ボジョレーヌーボーが海外では全く評価されていないという事です。
本場フランスでも、日本の盛り上がりに疑問を持つ人が多いと言います。一体どんな感想を持っているのでしょうか?
「フランス人自身含め大半の人がボジョレー・ヌーボーがひどいものだと知っているなら、どうして日本人はお祝いをするの?日本人だって素晴らしいワインや世界クラスのウイスキーを作ってて、鋭い味覚を持っているのに、なんであんなにひどいワインを愛せるの?」
「日本人は「自分が最初」と言うのが好きだから飲んでいる」
「日本のボジョレー・ヌーボーはフランスの3、4倍の値段がするって聞いたけどどうしてだろう?」
「ボジョレー・ヌーヴォーなんて、フランス人の陰謀だ」
「くずワインを日本人に売るためのイベントなんだ」
「あんなもの、ワイン通は、飲まないよ」
「ワインのことを知らない連中だけが騒いでいるだけ・・・」
「ワインのイベントのひとつね。ドイツのオクトーバーフェスト(世界最大規模のビールの祭典)の意味合いに似ていて、収穫を祝うという要素が大きいの。ただ、オクトーバーフェストのように盛り上がるということはないわね。特別にボジョレーヌーヴォーがおいしければみんな買って飲むと思うけど、そうではないから興味のない人もいるわ。逆に日本でボジョレーが盛り上がっているのは意外だったわ」
海外の人にはボジョレーヌーボーの味は到底受け入れられないようです。
ボジョレーのさっぱりした果実味が強い感じは、普段余りワインを飲まない人にとっても好まれる味だと思います。
また、日本におけるボジョレーヌーヴォーの盛り上がりは、日本人の性格や、味の好みそして何よりクリスマスケーキやバレンタインデーのチョコに代表される企業側の思惑が重なって成功したパターンと言えるかもしれません。
日本人に好まれる味のボジョレーヌーボー。
今年の出来は過去に並んでも遜色のないものが用意されそうです。
海外ではとことん不評だというのは意外でしたが、日本の文化としてこのお祭りを楽しもうじゃありませんか。