2018年第100回高校野球大会で一番の注目を集めた金足農高校。その躍進となった原動力は言うまでもなく吉田投手です。
プロ注目の右腕、吉田投手が現在プロ選手たちがどのような評価をしているのかまとめました。
ドラフト1位指名確実と言われている吉田投手。一体どこが凄いのか、また弱点はどこなのかも指摘していますのでどうぞご参考ください。
東尾 修氏

元西武ライオンズの200勝投手でもある東尾修氏は、吉田投手で最も印象的なのは「無駄のない投球フォーム」だと言います。
また、完成度としては往年の元ジャイアンツ投手・桑田真澄氏や現在ニューヨークヤンキースで活躍する田中将大投手に匹敵する完成度を持っていると分析していました。
吉田投手の身長は178センチと、大谷翔平やジャイアンツ菅野投手のような大柄な体格ではない為、身長180センチの桑真澄氏のような投手と似たようなものを持っているのだと感じたようです。
ヤクルトの小川投手のように171センチで150キロを超す速球を投げる投手もいるので、日本の野球では身長は大きなハンデではないのかもしれません。
東尾氏は吉田投手について、
「下半身のパワーがキャッチャーミットにめがけて伝わっていて、ブレがない」とも話しています。
これにより、力んで投げた時でもすっぽ抜けやひっかかりなどが無くなるようです。また、吉田投手においてはそのような力むところもなく、球がシュート回転するような所もないのを絶賛しています。
投球フォームを見ただけで、そこまで分析できるとはやはりプロ選手という感じです。
最後に東尾氏は吉田投手の凄いところを、「ピンチの時にギアが入る」事が出来ると解説しています。
200勝投手がここまでベタ褒めするのであれば、ドラフトの目玉はもちろん日本を代表する投手も十分に可能性があるのではないのでしょうか。
佐々木主浩氏

魔神とよばれた元横浜の守護神佐々木主浩氏は吉田投手の金足農高校に対して並々ならぬ思いを持っているようです。
佐々木氏の出身高校は同じ秋田の東北高校で、なんでも春の大会で金足農高校と対戦をし敗戦したのだそうです。
「あのユニホームを見ると悔しい思いを思い出す」と話す佐々木氏は、吉田投手について、「真っすぐの質が違いますね。(高校当時)僕より全然上です」と高く評価しています。
同じ東北人として金足農にエールを送っています。
清原和博氏

清原氏は高校2年生の時の夏の甲子園で金足農と対戦し勝利していますが、吉田投手に対しては、「手元で凄くスピードを感じる投手という印象。打者はホップしているような感覚になるのでは?スピードガン以上に威力を感じる」と評価しています。
もし吉田投手と対戦したらと聞かれると、
「彼と対戦するなら、ストレートを待つ。そのストレートをいかに打ち損じないか」と答えていました。
清原氏のストレート勝負で記憶にあるのは松坂投手との対戦です。現役であれば吉田投手との対戦を是非見てみたかったですね。
松井優典氏(元楽天2軍監督)

野村克也元監督の右腕としても知られる松井氏は、吉田投手を「洗練された完成度の高い投手」と評価しています。
育成のプロである松井氏は、吉田投手の持ち味を130キロや140キロ後半の速球を使い分けることが一番の持ち味だと評価しています。
「同じ投げ方でストレートの球速の幅を付けられる。打者からしたら、直球はどの球も同じ投げ方に見えてくるはず。左打者があれだけ外角高めのストレートを空振りするのは、バッターからすると見送れない球だからだ」
と話しています。
また、今後の課題や問題点についても言及しています。
「ただ、同じ振り方で変化球を投げられるかというのが今の課題。それが出来れば球数も減る」と話し、鍛えがいのあるピッチャーだと最後に付け加えています。
名スカウト片岡宏雄氏

元ヤクルトのスカウト責任者で古田敦也や、伊藤智仁らを指名した名スカウト、片岡宏雄氏は既に大会前に吉田投手を大会№1と評価していた方です。
そして、実際に甲子園での活躍を見ても絶賛しています。
「前半は少し力を抜いていたね。それでコントロールが安定した。後半は力を入れてピンチで踏ん張った。ストレートの質の高さが吉田の魅力だろう。いいスピンがかかっている。狙って空振りを取れるピッチャーは、そうはいない。それと体のバランス、フォームのバランスがいい。176センチ、81キロの体格は決して小さくはなく投手としては理想的だろう。守備力もあるし、変化球も多彩。コントロールを含めた総合力では叶わないが、ストレートのボールの質と速さは、松坂大輔クラスだと思う」
甲子園決勝でノーヒットノーランを記録した松坂大輔と同じくらいの評価をしています。これで松坂と同じような変化球を覚えれば将来はめじゃも夢ではないのかもしれません。
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