北朝鮮で日本人の男性が当局に拘束された事件がですが、
11日現在この男性の詳細はあまり公表されておりません。
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現在分かっていることは、
- 男性は39歳で仕事は映像クリエイター
- 海外の旅行ツアーから北朝鮮に入国
- 過去に渡航履歴がある
- 西部の港湾都市・南浦を訪れていた
という事くらいです。
映像クリエイターということは、もしかしたらYOUTUBERなのかもしれません。
視聴回数を稼ぐために、危険な国に飛び込んでいるチャンネルは数多くあります。
とすれば、もしかしたら現地を所かまわず撮影して、
誤解を招くような事態を引き起こした可能性は十分にあります。
日本政府は、日朝首脳会談の実現に向けて動いていた中での
この拘束事件が起きたため、今後の展開をどうしていくのかに
注目が集まっています。
詳細が入り次第、この日本人男性についてはまた触れていきたいと思います。

目次(Contents)
過去の北朝鮮拘束事件
北朝鮮というと誰もが怖いというイメージがあると思います。
そんな国にもし、拘束されたら一体どうなってしまうのでしょうか?
- 公開処刑?
- 無期懲役で強制労働?
- 拷問にあう?
拘束され、実刑が下ったりしたらこんなことを想像してしまいますが、
国家間の問題にも発展する為、余程の事がない限りは上記のようなことは
あり得ないでしょう。
過去にも北朝鮮に拘束された事例は数多くあります。
拘束された理由を見てみると、
1.公安、マスコミが職業偽って訪朝
2.立入禁止エリアへの踏み入れ
3.個人崇拝への侮辱、冒涜
4.政治スローガンの損壊、冒涜
5.地元民への傷害、窃盗、わいせつ
6.鴨緑江への飛び込み
7.朝鮮労働党を激怒させる我々の想像を超えるような厄介な事案
と、大きく分けてこの7つに絞られます。
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1999年日経新聞記者拘束

この事件は今から遡る事1999年12月に日本経済新聞の記者であった、
杉嶋岑(すぎしま たかし)氏が北朝鮮に2年2ヶ月間にもわたり拘束された事件です。
杉嶋氏が拘束された理由はスパイ容疑でした。
杉嶋氏は日本経済新聞社を定年退社後の、
個人的な観光旅行の途中であったといいます。
そして、拘束されたのは五回目の北朝鮮訪問時でした。
2年2か月という長期間に渡っての拘束の詳細については、
「北朝鮮抑留記 わが闘争二年二ケ月 1999年12月~2002年2月」 出版社: 草思社
をご覧いただくと、その壮絶な毎日が良く分かります。

尋問を受けながらも、逆に冷静に北朝鮮を観察している姿が
さすがジャーナリスト!と思えます。
杉嶋氏の拘束事件の結末は、
無事解放されハッピーエンドとなるのですが、
この事件の最も驚くべき点は、日本に北朝鮮と通じるスパイが暗躍していると暴露した点です。
実際に、杉嶋氏は解放されて帰国後、
日本側の情報漏洩のひどさを公表しています。
そしてなんと国会においても参考人としてその内容を証言しているのです。
杉嶋氏が主張していた内容を端的にまとめると、
- 日本の公安調査庁内部に北朝鮮へ情報漏洩するシステムが存在した。
- 日本の報道機関であるTBSが北朝鮮と裏取引をおこなっていた。
という驚きの内容です。

この拘束事件では、北朝鮮は日本に対して身代金を要求していましたが、
日本側の身代金要求の交渉はTBSが行っていたといいます。
TBSは裏で北朝鮮とつながり、
この拘束事件の情報を独占的に受けていたことは容易に想像がつきます。
現に、杉嶋氏が北朝鮮から有罪判決が出されていないのに
TBSだけは有罪判決が出たと報道していたという事実があります。
杉嶋氏は日本のマスコミに対してこう忠告をしています。
「情報欲しさに取引して相手国に利用される宣伝媒体になるな。
軸足はあくまで日本に置き、日本の国益を守り抜いてほしい」
そして日本国政府に対しては、
「日本が有機的統一体として機能し、
かけがえのない祖国の平和と安全を守り、
新しい時代の国民的連帯感を醸成するためにも、
政府と国民が信頼関係を築く道筋を政府は率先して示すべき」
と国会で発言をしています。
2016年米国人ワームビア氏拘束→2017年解放も帰国後死亡

この事件はまだ記憶に新しいのではないでしょうか?
改めて事件の概要を記すと、
- 2016年にワームビア氏はツアー旅行にて北朝鮮を訪問。
ホテルにあった政治宣伝ポスターを盗もうとしたとして拘束。
2017年6月に健康状態の悪化を理由に解放。
米国に帰国後、意識不明となり、数日後に死亡。
北朝鮮は、ワームビア氏がボツリヌス菌に感染したと説明し、
虐待を否定していました。
しかし、米国の医師らの検査によると、
感染した形跡はなかったと証言しています。
人体実験のようなものを受けていたのでは?と推測する声もあがるほど
この事件は衝撃的でした。
それにしてもたかが、政治のポスターを盗んだだけで政治犯の扱いを
されるとは・・・。
アメリカ人であったというのももしかしたら理由の一つかもしれません。
2015年韓国系米国人キム・ドンチョル氏拘束
韓国系米国人のキムドンチョル氏の職業は牧師でした。
拘束されたのは2015年10月。
北朝鮮の国家転覆のためのスパイ活動をし軍事機密を盗んだ、という理由で、
結果、北朝鮮の最高裁が労働教化刑10年を受けています。
2017年韓国系米国人キム・サンドク氏拘束
こちらも同じく韓国系米国人ですが、
ツアー客とかではなく、平壌科学技術大学に会計学教授として招請されていました。
しかし2017年4月22日に、
国家を転覆しようと敵対的な犯罪行為を行ったとして拘束され実刑を言い渡されています。
2017年韓国系米国人キム・ハクソン氏拘束
やはり、韓国系米国人で、キム・サンドク氏と同じように敵対行為の疑いをかけられ拘束されています。
平壌科学技術大学の運営関係者で実験的な農場を開始しようとしていたようです。
北朝鮮の為に善意で行っていても、途中の発言やちょっとした行動が敵対行動と見られていたのでしょう。
常に監視の目が光っていたといいます。
この韓国系米国人の3人は、現在解放に向けて協議中であると言います。
韓国での報道では、北朝鮮当局は4月に3人を収容先の「労働教化所」から
平壌近郊のホテルに移送したとされ、
解放の準備が進んでいるとの見方が強まっています。
この3人は治療と思想教育を受けたといいます。
今回の日本人拘束事件は今後どうなっていくのでしょうか?
単に交渉材料の人質としてとらわれている可能性も示唆されていますが、
今はただただ無事に解放されることを願うばかりです。
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